だが、『Pablo Honey』は決して「Creep」がすべてというアルバムではない。「Anyone Can Play Guitar」は、間違いなく「Creep」に匹敵する。フィードバック・ギターの分厚い響きに包まれ、黙示録的なコーラスへと一気になだれこむ曲だ。フロントマンのトム・ヨークは歌う――「世界が変わり、ロンドンが燃え上がるとき、僕はギターを持って海辺に立っているだろう(As the world turns and as London burns, I'll be standing on the beach with my guitar)」。これを超えるインディー・ロックはめったにあるものではない。ほかに、「Vegetable」と「Prove Yourself」もこれに近い輝きを放っている。『Pablo Honey』は、レディオヘッドが『The Bends』、『OK Computer』と進化していくにつれ影の薄いアルバムとなっていったが、興味をそそるデビュー作という以上の内容が感じられるのは確かだ。(Louis Pattison, Amazon.co.uk)